建築士という言葉を耳にすることはあっても、実際のところ一体何をする人なのかがよく分からないかもしれません。建築士と大工さんにはどのような違いがあるのか、また建築士とはどのような資格なのかについてお伝えします。
大工と建築士の違いは何でしょうか。その違いは資格が必要かどうかということと仕事内容です。大工は資格は必要ありません。極端な話ですが、実務経験がなくても自分は大工だと名乗るだけで今すぐにでも大工になれるということです。しかし、建築士はそうではありません。建築士は国家資格が必要です。勝手に建築士を名乗ることはできません。
仕事内容にはどんな違いがあるのか
仕事内容にも大工と建築士には違いがあります。大工は主に一般住宅などの木造建築物を建築したり、修理を行うことが仕事になります。それに対して建築士の仕事は設計や工事監理を行う事が主な仕事になります。工事監理とは建築士法第二条8項によると設計図書と工事を照合し、間違いなく設計図書のとおりに実施しているかどうかの確認を業務とするものです。
一級建築士の仕事とは
一級建築士の仕事はあらゆる施設の設計や工事監理を行うことができると定められています。その施設の中には延べ面積が500平方メートルを超える百貨店や学校、劇場や病院といった物が含まれます。また高さが13メートル、また軒が9メートルを超える高さの木造建築物は一級建築士でないと設計・工事監理ができないことになっています。
一級建築士と二級建築士の違い
一級建築士は国土交通大臣から免許を受けますが、二級建築士は各都道府県知事から免許を受けます。また一級建築士があらゆる建造物の設計や工事監理ができるのに対して二級建築士には制限があります。ある一定規模以下の木造建築、鉄筋コンクリートしか設計及び工事監理はできません。例えば、一級建築士と同じように学校や病院の設計や工事監理を行なえますが、規模は延べ面積500平方メートルでなければなりません。
木造建築士とはどんな視覚か
建築士には木造建築士という名称の資格もあります。木造建築士は二級建築士と同じく各都道府県の知事から免許を受けます。業務は一級及び二級建築士と同じように設計と工事監理ですが、名称が示すように木造の建造物のみ行う事ができます。また木造の建造物でも延べ面積が300平方メートル以内で、2階までの建物しか扱うことが許されていません。
今回は建築士の仕事についてご紹介しました。大工と建築士は資格が必要かどうかだけでなく、仕事の内容も違いがあります。また一級建築士は国土交通大臣から免許を受けてあらゆる設計と工事監理ができるのに対し、二級建築士は都道府県知事から免許を受けてある一定規模の建物の設計と工事監理を行います。そして木造建築士は一定規模以下の木造建造物の設計、工事監理ができます。