マラソンは、足の着地の仕方によって走りやすさや速さ、ケガのリスクなどが変わってきます。では、マラソンで正しい着地の仕方とは何でしょうか?
また、つま先と踵の使い分けはどうすればよいでしょうか?この記事では、マラソンで正しい着地の仕方を学び、つま先と踵の使い分けの重要性を説明します。
マラソンで正しい着地の仕方とは?
マラソンにおける正しい着地方法は、「ミッドフット」走法であり、足裏全体で地面に触れるようにします1。この走法は、足裏の外側から全体にかけて地面に接するスタイルであり、体の上下運動が少なく、エネルギー効率が高まります。
また、重心を正確に足の真下に置くことができるため、体幹(背骨)での衝撃を吸収することができ、膝や足首への負担が軽減されます。
ミッドフット走法は、かかとで着地する「ヒールストライク」走法やつま先で着地する「フォアフット」走法に比べて、以下のメリットがあります。
- スピードをブロックすることが少なく、スピードを上げやすい
- 地面からの反発力を効率よく利用できる
- ケガのリスクが低い
ミッドフット走法を身につける方法とは?
マラソンで正しい着地の仕方であるミッドフット走法を身につけるためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- 上半身から前へ
- 股関節に重心を乗せる
- 足裏全体で着地する
それぞれ具体的に説明していきます。
上半身から前へ
ミッドフット走法を習得するためには、上半身から前に進むことが鍵です。上半身から前進することで、体重が前方に移動し、自然に足全体で地面に着地することが可能になります。逆に、下半身を主導して足を前に出すと、体重が後ろに残り、かかとからの着地が多くなる傾向があります。
上半身から前へ進むためには、以下のような方法があります。
- 肩甲骨を寄せて背筋を伸ばす
- 腕振りを小さくして肘角度を90度以下にする
- 頭部や胸部から前傾姿勢になる
股関節に重心を乗せる
ミッドフット走法をマスターするためには、股関節に適切に重心を配置することが重要です。このアプローチによって、股関節は最も効果的なポジションで力を発揮でき、そのパワーポジションを保持することで、スムーズな走行が可能になります。
股関節に重心を乗せるためには、以下のような方法があります。
- 腹筋や背筋などの体幹筋を鍛える
- 股関節の可動域を広げるストレッチやエクササイズを行う
- 足裏全体で着地する際に、膝が曲がらないようにする
足裏全体で着地する
ミッドフット走法を習得するには、足全体で地面に接地することが重要です。この方法により、足の土踏まず部分が本来果たすべき衝撃吸収の役割を十分に発揮できます。さらに、足を体の重心の真下に着地させることができるため、体幹(背骨)が衝撃を吸収しやすくなり、膝や足首にかかる負担が軽減されます。
足裏全体で着地するためには、以下のような方法があります。
- 平坦な道ではなく、少し高い踏み台から足を下ろすイメージで走る
- 着地するときは「ペタン」と音を立てるイメージで、足裏を水平方向に保ちながら全体を使って下ろす
- 正しくできていれば、膝はあまり曲がらずに着地することができる
つま先と踵の使い分けが重要な理由とは?
マラソンで足の着地の仕方を変えるメリットとは?
マラソンで足の着地の仕方を変えることには、以下のようなメリットがあります1。
- 坂道やカーブなどの走りに対応できる
- 脚全体の筋肉をバランスよく鍛えられる
- 走り方に変化をつけて飽きなくなる
それぞれ具体的に説明していきます。
坂道やカーブなどの走りに対応できる
マラソンでは、平坦な道だけではなく、坂道やカーブなども走らなければなりません。これらの走りに対応するためには、足の着地の仕方を変えることが有効です。
- 坂道では、登りはつま先着地、下りは踵着地にする
- カーブでは、外側はつま先着地、内側は踵着地にする
これらの使い分けによって、以下の効果が期待できます。
- 登りでは、つま先着地にすることで前傾姿勢になり、重心を前方に移動させて登りやすくする
- 下りでは、踵着地にすることで後傾姿勢になり、重心を後方に移動させてスピードを抑える
- カーブでは、外側はつま先着地にすることで内側へ向かう力を増やし、内側は踵着地にすることで外側へ向かう力を減らす
脚全体の筋肉をバランスよく鍛えられる
マラソンでは、足裏全体で着地する「ミッドフット」走法が基本ですが、状況に応じてつま先や踵を使い分けることで、脚全体の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
- つま先着地では、ふくらはぎやアキレス腱など下半身後面の筋肉が強く働く
- 踵着地では、大腿四頭筋や大殿筋など下半身前面や上部の筋肉が強く働く
これらの筋肉をバランスよく鍛えることで、以下の効果が期待できます。
- 脚のパワーと持久力を向上させる
- ケガの予防や回復を促進する
- 走りのフォームやバランスを安定させる
走り方に変化をつけて飽きなくなる
マラソンでは、長い距離を走るために、同じ走り方を続けることになります。これは、精神的にも肉体的にもモノトーンで飽きやすいです。そこで、足の着地の仕方を変えることで、走り方に変化をつけて飽きなくなることができます。
- 足の着地の仕方を変えることで、走りのリズムや感覚が変わり、新鮮さや楽しさを感じる
- 足の着地の仕方を変えることで、脚全体の筋肉を使い分けることができ、疲労感や痛みを軽減する
- 足の着地の仕方を変えることで、自分の走りに合った最適な着地の仕方を見つけることができ、自信や満足感を得る
つま先と踵の使い分けのコツとは?
マラソンで足の着地の仕方を変えるメリットは分かりましたが、では、どうすればつま先と踵の使い分けができるようになるでしょうか?ここでは、つま先と踵の使い分けのコツを伝授します。
練習方法
つま先と踵の使い分けは、練習することで身につけることができます。以下のような練習方法がおすすめです。
- 坂道やカーブなどの走りに対応するためには、実際に坂道やカーブを走ってみる
- つま先着地や踵着地に慣れるためには、平坦な道で意識的につま先着地や踵着地を試してみる
- つま先着地や踵着地に必要な筋力や柔軟性を高めるためには、ふくらはぎやアキレス腱などのストレッチやエクササイズを行う
注意点
つま先と踵の使い分けは、無理にやりすぎないことが大切です。以下のような注意点に気を付けましょう。
- つま先着地や踵着地は、基本的にミッドフット走法から一時的に切り替えるものであり、常に同じ着地方法で走ろうとしない
- つま先着地や踵着地は、自分の体力や体調に合わせて適度に行い、無理して続けたり増やしたりしない
- つま先着地や踵着地は、自分が気持ちよく感じられる範囲内で行い、痛みや違和感があればすぐに走り方を変えたり、無理に続けたりしない
- 走り終わった後は、足のケアをしっかりと行う
- 痛みや違和感が長く続く場合は、医師やトレーナーに相談する
まとめ
マラソンで正しい着地の仕方を学ぶことは、走りやすさや速さ、ケガ予防などに大きく影響します。
基本的にはミッドフット走法で走ることがおすすめですが、状況に応じてつま先や踵を使い分けることも大切です。
自分に合った着地の仕方を見つけて、マラソンを楽しみましょう!