マラソンで血の味を感じる理由と予防法

スポーツ

2023.09.20

マラソンは健康やダイエットに効果的なスポーツですが、長距離を走るときに口の中で血の味を感じることがありませんか？この現象は一般的に「運動性血味」と呼ばれ、多くのランナーが経験したことがあると思います。

しかし、なぜこのようなことが起こるのでしょうか？また、血の味を感じることは健康に影響があるのでしょうか？そして、どうすれば予防や対策ができるのでしょうか？

この記事では、運動性血味の原因とメカニズム、そして予防法についてご紹介します。

運動性血味とは

運動性血味とは、運動中や運動後に口の中で血の味を感じる現象です。この現象は一般的に無害で一時的なものですが、不快な感覚や不安を引き起こすことがあります。

運動性血味の原因とメカニズムについては、複数の仮説が提唱されていますが、確定的なものはまだありません。しかし、最も有力な説は、肺や口腔内の微小出血や鉄分の酸化が関係しているというものです。

肺は酸素と二酸化炭素の交換を行う臓器であり、運動するときには通常よりも激しく働きます。そのため、肺の毛細血管が拡張したり破裂したりして、血液が気道に漏れ出すことがあります。

この現象は「肺出血」と呼ばれますが、通常は自覚症状がなく、気管支や咽頭に溜まった血液は咳や痰で排出されます。しかし、一部の血液は口腔内に残り、鉄分に含まれるヘム鉄が酸化されてフェリチンという物質に変化します。

フェリチンは金属的な味を持ち、これが運動性血味の原因の一つと考えられます。

肺出血は運動強度や持続時間、高度や気温などの環境要因によって起こりやすくなります。特に高強度かつ長時間の運動を行う場合や、高地や寒冷地で運動する場合に注意が必要です。

肺出血は一般的に無害で自然治癒するものですが、重度の場合や頻繁に起こる場合は医師に相談することをおすすめします。

口腔内では、歯茎や舌などの粘膜が乾燥したり傷ついたりして出血することもあります。これも同様に鉄分が酸化されてフェリチンに変化し、血の味を感じる原因になります。

また、口から大量に息を吐くことで唾液の分泌量が減り、口腔内のpHバランスが崩れることもあります。これも血液中のヘモグロビンやミオグロビンなどのタンパク質が変化して、フェリチン様物質を生成し、血の味を感じやすくする要因になります。

口腔内からの微小出血は水分補給や口腔内の清潔さを保つことで予防することができます。また、歯科検診や治療も定期的に受けることで、歯茎の炎症や出血のリスクを減らすことができます。

運動性血味は通常は走っている間や直後に感じますが、しばらくすると自然に消えます。これは、肺や口腔内の出血が止まり、鉄分が分解されることで起こります。運動性血味は一時的な現象であり、大量出血や重篤な病気を示すものではありません。

しかし、不快な感覚や不安を和らげるために、以下の対処法を試してみることができます。

水分補給をする：水分補給は口腔内や肺の乾燥を防ぎ、鉄分の酸化を抑えます。また、水分補給は体温調節や循環機能にも重要です。運動前・中・後に水分補給を心がけましょう。
口腔内をすすぐ：口腔内に残った血液やフェリチンを洗い流すことで、血の味を軽減することができます。水やスポーツドリンクなどで口腔内をすすぎましょう。
ガムを噛む：ガムを噛むことで唾液の分泌量が増え、口腔内のpHバランスが回復します。また、ガムの香りや味が血の味を上書きする効果もあります。ミント系やフルーツ系のガムを噛んでみましょう。
鼻呼吸をする：鼻呼吸は空気を温めて湿らせることで、口腔内や肺の乾燥を防ぎます。また、鼻呼吸は深い呼吸になりやすく、酸素の効率的な取り入れにも役立ちます。可能な限り鼻呼吸で走りましょう。

運動性血味は不快な感覚ですが、予防する方法はいくつかあります。以下にご紹介します。

水分補給をする：水分補給は口腔内や肺の乾燥を防ぎます。また、水分補給は体温調節や循環機能にも重要です。運動前・中・後に水分補給を心がけましょう。
ウォーミングアップをする：ウォーミングアップは肺や心臓の機能を高め、血流を改善します。また、ウォーミングアップは筋肉や関節の柔軟性や可動性を高め、怪我を防ぎます。運動前に十分なウォーミングアップを行いましょう。
適度なペースで走る：過度な負荷やスピードで走ると、肺や心臓に負担がかかり、血液の圧力が上がります。これは血管の破裂や出血のリスクを高めます。自分の体力やコンディションに合わせて、適度なペースで走りましょう。
口呼吸ではなく鼻呼吸をする：口呼吸は口腔内の乾燥やpHバランスの崩れを招きます。鼻呼吸は空気を温めて湿らせることで、口腔内や肺の乾燥を防ぎます。また、鼻呼吸は深い呼吸になりやすく、酸素の効率的な取り入れにも役立ちます。可能な限り鼻呼吸で走りましょう。
口腔内の衛生を保つ：口腔内の衛生は歯茎や舌などの粘膜の健康に影響します。歯磨きやうがいなどで口腔内の清潔さを保ちましょう。また、歯科検診や治療も定期的に受けましょう。