マラソンは体力と精神力を要するスポーツです。マラソンに挑戦する人は、トレーニングや装備だけでなく、飲み物の選び方やタイミングにも注意しなければなりません。
マラソンの前後に飲むべき飲み物と飲むべきでない飲み物を知っておくことで、パフォーマンスや健康を向上させることができます。
この記事では、マラソンの前後に飲むと効果的な飲み物5選と飲むべきでない飲み物を紹介します。
マラソンの前に飲むべき飲み物5選
1. ミネラルウォーター
マラソンの前には、水分補給をしっかり行うことが大切です。水分補給を怠ると、汗によって体内の水分が減り、血液がドロドロになります。血液がドロドロになると、血液の流れが悪くなり、全身の代謝が低下し、脂肪が燃焼しにくくなります。
また、脱水症状によって体温調節や筋肉機能が低下し、熱中症やけいれんなどのリスクが高まります。
そこでおすすめなのがミネラルウォーターです。ミネラルウォーターは、水分だけでなく、ミネラルも補給することができます。
ミネラルは、水分バランスや筋肉収縮などの体内機能を正常に保つために必要です。特にナトリウムは汗とともに多く失われるため、補給することが重要です。
マラソンの前には、少なくとも2時間前までに500ml程度のミネラルウォーターを飲んでおきましょう。また、走る直前にも100ml程度のミネラルウォーターを飲んでおくと良いでしょう。
2. コーヒー
コーヒーはカフェインを含む飲み物です。カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒や集中力を高める効果があります。
また、カフェインは脂肪の分解を促進する酵素「リパーゼ」の働きを活性化させます。リパーゼの働きによって体内の脂肪が分解され、ランニング中のエネルギー源として利用されます。これによって、脂肪を効率的に燃焼させることができます。
コーヒーを飲むことで、マラソンのパフォーマンスを向上させることができるという研究もあります。コーヒーを飲む場合は、マラソンの開始時間の約1時間前に、体重1kgあたり3~6mgのカフェインを摂取するのが目安です。
例えば、60kgの人なら180~360mgのカフェインを摂取することになります。一般的なコーヒーには約80mgのカフェインが含まれているので、2~4杯程度飲むと良いでしょう。
ただし、コーヒーは利尿作用もあるので、水分補給も忘れないようにしましょう。また、カフェインに敏感な人や胃腸の調子が悪い人は、コーヒーを飲むと不快な症状が出る可能性があります。その場合は、カフェインを控えるか、別の飲み物に変えることをおすすめします。
3. 緑茶
緑茶もコーヒー同様にカフェインを含む飲み物です。緑茶にはコーヒーにはない成分も含まれており、それらがマラソンに有効な効果をもたらします。
緑茶に含まれる成分の一つが「カテキン」です。カテキンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用や殺菌作用があります。
抗酸化作用によって、運動中に発生する活性酸素から細胞を守り、老化や疾患の予防に役立ちます。殺菌作用によって、口腔内や胃腸内の細菌を減らし、虫歯や胃炎などの予防に役立ちます。
また、カテキンは脂肪燃焼にも効果があります。カテキンは脂肪細胞内の酵素「ホルモン感受性リパーゼ」の働きを促進し、脂肪細胞から脂肪酸を放出させます。この脂肪酸は筋肉でエネルギーとして利用されます。つまり、緑茶を飲むことで脂肪を効率的に燃焼させることができます。
緑茶を飲む場合は、コーヒーと同じくマラソンの開始時間の約1時間前に飲むと良いでしょう。緑茶に含まれるカフェインの量はコーヒーよりも少なく、約30mg程度です。そのため、体重1kgあたり3~6mgのカフェインを摂取するためには、6~12杯程度飲む必要があります。
しかし、これだけ多く飲むと水分過剰や利尿作用などの問題が起こる可能性があります。そのため、実際には2~3杯程度飲むのが適切だと考えられます。緑茶は温かいものでも冷たいものでも構いませんが、砂糖やミルクなどの添加物は避けるようにしましょう。
それらはカロリーが高く、脂肪燃焼の効果を減らす可能性があります。