マラソンは、体力や精神力を高めるだけでなく、健康や美容にも効果的なスポーツです。
しかし、マラソンをするためには、適切なトレーニングやストレッチだけでなく、食事も重要な要素です。マラソンに挑戦する人は、普段から食事に気をつける必要があります。
では、マラソンに効果的な食事とはどのようなものでしょうか?今回は、ランナーにおすすめの栄養バランスや食べ物をご紹介します。
マラソンに必要な栄養素とは?
マラソンにおいて必要不可欠な栄養素は、大まかに以下の3つに分類されます。
- 炭水化物: マラソンの際には、筋肉や肝臓に貯蔵されたグリコーゲンという糖質が主要なエネルギー源として利用されます。グリコーゲンは主に炭水化物から生成されるため、炭水化物はマラソンにおいて不可欠です。これらの栄養素は、主食や果物、野菜などの食品に豊富に含まれています。
- タンパク質: タンパク質は体内の筋肉、骨、血液などの組織の構築に欠かせない成分です。マラソン中には筋肉が損傷し、疲労が蓄積するため、十分なタンパク質の摂取が必要です。タンパク質は肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などに多く含まれています。
- ビタミン・ミネラル: ビタミンとミネラルは微量栄養素で、体の正常な機能維持に不可欠です。マラソン中には汗をかいて失われる水分と電解質の補給、免疫力の維持などにこれらの栄養素が必要です。ビタミンとミネラルは野菜、果物、海藻、ナッツなどに多く含まれています。
マラソンにおすすめの食事バランスとは?
マラソンにおすすめの食事バランスは、一般的な健康的な食事と同じく、「日本人の食事摂取基準」 に沿ったものです。具体的には、
- 一日3食を規則正しく摂る
- 主食(ご飯やパンなど)をしっかり摂る
- 副菜(肉や魚、卵、大豆製品など)と主菜(野菜や果物、海藻類など)をバランスよく摂る
- 油や塩、砂糖などの調味料は控えめにする
- 水分はこまめに摂る
ということが大切です。特に、マラソンに挑戦する人は、以下の点に注意しましょう。
- 炭水化物は一日のエネルギー摂取量の50~60%を目安に摂る。ただし、炭水化物の種類にも注意が必要です。精製された白米や白パンなどの単糖類は血糖値が急上昇しやすく、エネルギーが持続しにくいため、避けましょう。玄米や全粒粉パンなどの多糖類は血糖値がゆるやかに上昇し、エネルギーが持続しやすいため、おすすめです。
- タンパク質は一日のエネルギー摂取量の15~20%を目安に摂る。ただし、タンパク質の摂りすぎは腎臓に負担をかけたり、カルシウムの排出を促したりするため、適度にしましょう。また、タンパク質の質も重要です。動物性タンパク質は脂肪やコレステロールが多く含まれているため、摂りすぎに注意しましょう。植物性タンパク質は必須アミノ酸が不足しがちなため、種類を組み合わせて摂りましょう。
- ビタミン・ミネラルは一日のエネルギー摂取量の**25~30%**を目安に摂る。ただし、ビタミン・ミネラルは一種類ではなく、色々な種類があります。特にマラソンでは、以下のビタミン・ミネラルが重要です。
- ビタミンC:抗酸化作用や免疫力向上などに効果的です。柑橘類やキウイフルーツ、トマトなどに多く含まれています。
- ビタミンE:抗酸化作用や血行改善などに効果的です。ナッツ類や植物油、ほうれん草などに多く含まれています。
- ビタミンB群:エネルギー代謝や神経系の働きなどに効果的です。肉や魚、卵、乳製品、穀物などに多く含まれています。
- カリウム:筋肉の収縮や血圧調節などに効果的です。バナナやアボカド、じゃがいもなどに多く含まれています。
- ナトリウム:体液の調節や神経伝達などに効果的です。塩や味噌、醤油などに多く含まれています。
- カルシウム:骨や歯の形成や筋肉の働きなどに効果的です。乳製品や小魚、海藻類などに多く含まれています。
- 鉄:赤血球の生成や酸素運搬などに効果的です。肉やレバー、ほうれん草などに多く含まれています。
これらのビタミン・ミネラルは、色々な食品から摂ることができますが、サプリメントやドリンクなどで補給することもできます。ただし、過剰摂取は体に悪影響を及ぼすこともあるため、必要な量を守りましょう。
マラソンの前後に食べるべきものとは?
マラソンの前後に食べるものも、普段の食事と同じく、炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラルのバランスが大切です。しかし、マラソンの前後に食べるタイミングや量にも注意が必要です。以下に、マラソンの前後に食べるべきものとその目安を示します。
- マラソンの1週間前:この時期は、グリコーゲンをたっぷり蓄えるために、炭水化物を多めに摂りましょう。一日のエネルギー摂取量の**60~70%**を炭水化物で賄うようにしましょう。また、ビタミン・ミネラルもしっかり摂りましょう。特にビタミンCやEは抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去してくれます。活性酸素は筋肉や細胞を傷つける原因になるため、予防することが大切です。
- マラソンの前日:この時期は、グリコーゲンを最大限に蓄えるために、炭水化物をさらに多めに摂りましょう。一日のエネルギー摂取量の**70~80%**を炭水化物で賄うようにしましょう。ただし、消化不良や胃もたれを起こさないように、食事は少量ずつ分けて摂りましょう。また、水分やナトリウムも十分に摂りましょう。水分やナトリウムは汗で失われるため、事前に補給しておくことが大切です。
- マラソン当日の朝食:この時期は、グリコーゲンを補充するために、炭水化物を中心とした食事を摂りましょう。ただし、消化不良や胃もたれを起こさないように、脂っこいものや辛いものは避けましょう。また、レースの開始時間の2~3時間前に食べるようにしましょう。食事の例としては、以下のようなものがあります。
- ご飯やパンなどの主食
- バナナやオレンジなどの果物
- ヨーグルトや牛乳などの乳製品
- 卵やハムなどのタンパク質
- マラソン中:この時期は、グリコーゲンが減少するため、炭水化物を補給する必要があります。しかし、固形物を食べると消化に時間がかかり、血液が胃腸に集中してしまうため、避けましょう。代わりに、以下のようなものを摂りましょう。
- スポーツドリンクや果汁などの液体炭水化物
- ゼリーやバーなどの半固形炭水化物
- グルコースやフルクトースなどの単糖類
- 水分やナトリウムも忘れずに摂りましょう。約15~20分ごとに100~200ml程度を目安にしましょう。
- マラソン後:この時期は、グリコーゲンを回復させるために、炭水化物を多めに摂りましょう。また、筋肉の修復や回復を促すために、タンパク質も摂りましょう。さらに、水分やナトリウムも補給しましょう。レース後の30分以内に食事を摂ることが理想的です。食事の例としては、以下のようなものがあります。
- ご飯やパンなどの主食
- 豆腐や鶏肉などのタンパク質
- 枝豆やアーモンドなどのナッツ類
- スープや味噌汁などの汁物
- ヨーグルトや牛乳などの乳製品
以上がマラソンにおすすめの食事バランスと食べ物です。マラソンは体に負担がかかるスポーツですが、適切な食事でサポートすることで、より快適に楽しく走ることができます。
まとめ
マラソンには、炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラルのバランスが大切です。普段から「日本人の食事摂取基準」に沿った食事を摂りましょう。マラソンの前後には、グリコーゲンや筋肉の回復に必要な食べ物やタイミングに注意しましょう。適切な食事でマラソンを快適に楽しみましょう!