夏は暑くて走るのが辛いと感じることも多いですが、実は夏の練習は秋冬のレースに向けて大きな成果を生むチャンスでもあります。
夏の暑さに負けずに走力をアップさせるためには、どんな練習メニューが効果的なのでしょうか?
今回は、夏のマラソンに挑戦するランナーのために、おすすめの練習メニューを紹介します!
暑さ対策は必須!暑熱順化と水分補給をしっかり行う
まずは、暑さ対策から始めましょう。夏のマラソンでは、高温や湿度によって体温調節が難しくなり、熱中症や脱水症状を引き起こすリスクが高まります。そのため、暑さに慣れることと水分補給をすることが重要です。
暑さに慣れることを「暑熱順化」と言います。暑熱順化とは、徐々に体を暑さに順応させることで、発汗機能や血流量などを改善し、体温上昇や脱水を防ぐことです。暑熱順化は数週間かかるため、本格的な暑さを迎える前から始める必要があります。具体的には、
- 軽い運動や入浴で汗をかく
- 20℃以上で暑いと感じてもクーラーをつけずに衣類で調整する
- こまめに水分とミネラルを補給する
という3つのポイントを意識してください1。
水分補給は、運動前・中・後に行うことが大切です。運動前には500ml程度の水分を摂りましょう。運動中は15~20分ごとに200~300ml程度の水分を摂りましょう。運動後は体重減少量の1.5倍程度の水分を摂りましょう2。ただし、一気飲みではなく少しずつ飲む「点滴飲み」が効果的です。
水分補給には、水だけでなくミネラルも必要です。ミネラルは汗と一緒に失われるため、不足すると筋肉や神経の機能低下やけいれんなどを引き起こす可能性があります。ミネラルを含む飲料としては、スポーツドリンクやミネラル入りむぎ茶などがおすすめです。
走力アップには峠ランやインターバルが効果的!レベル別に練習メニューを紹介
暑さ対策をしっかり行った上で、走力アップにはどんな練習メニューが効果的なのでしょうか?ここでは、初心者・中級者・上級者のレベル別におすすめの練習メニューを紹介します。
初心者:峠ランで心肺機能と筋力を鍛える
初心者の方は、峠ランを取り入れることで心肺機能と筋力を鍛えることができます。峠ランとは、坂道を上り下りすることで、平地よりも負荷をかけて走ることです。峠ランは、以下のようなメリットがあります。
- 心肺機能が向上し、酸素摂取量や血液循環が改善される
- 足腰の筋力が向上し、スピードや持久力が向上する
- 坂道の上り下りでフォームが改善される
- 平地での走りやすさや自信が増す
峠ランの方法としては、以下のようなものがあります。
- 週1~2回、早朝など気温の低い時間帯に1~1.5時間の峠ランを行う
- 坂道の勾配は5~10%程度で、上りはゆっくりと息切れしないペースで走る
- 下りは速く走らずに膝や足首に負担をかけないように注意する
- 坂道以外の平地や起伏のあるコースも走って変化をつける
中級者:インターバルでスピードとスタミナを鍛える
中級者の方は、インターバルを取り入れることでスピードとスタミナを鍛えることができます。インターバルとは、高強度と低強度の走りを交互に繰り返すことで、無酸素運動と有酸素運動をバランスよく行うことです。インターバルは、以下のようなメリットがあります。
- 無酸素運動によって筋肉量や筋力が増加し、スピードやパワーが向上する
- 有酸素運動によって心肺機能や脂肪燃焼効率が向上し、持久力や体重管理が向上する
- 高強度と低強度の切り替えによって体内のエネルギー代謝が活発化し、基礎代謝が向上する
- レースペースに近い速度で走ることで感覚や自信が身につく
インターバルの方法としては、以下のようなものがあります。
- 週1~2回、夕方など気温の下がった時間帯に1時間程度のインターバルを行う